長生きすることが一番大切です。 【ブログ記事:養生訓より】
『人の身体は両親から授かったものであり、自然から生まれたものです。
自然や親の恵みを授かってこの世に生まれ、そして育てられた身体なのだから、自分の身体であっても自分の物ではないのです。
自然から授かりもの、親が残してくれた身体なのですから、そのことに感謝して日々健康に努め、できる限り長生きするべきです。これこそが、自然や親への感謝を表すことになるのです。
自分の健康を失ってはそれができません。自分の身体であっても、皮膚や毛髪などでさえ、
傷つけるようなことは親不孝なことなのです。
言うまでもなく、大切な体・命を自分の物だからと慎むこともなく、食欲・性欲の思うままに生活し、健康を損なって病気になり、授かった寿命を短くしてしまうことは、自然や親を不幸にすることであり、大変愚かなことです。
人としてこの世に生まれたからには、自然や親に感謝し、人倫の道を行い、義理に従って生き、できるものなら福を受け、少しでも長生きして喜んだり、楽しんだりすること、これが正に人間誰もが願うことです。
このような人生を望むのであれば、先人達が行ってきたことを学び、健康になるために何をすればよいのかを学んで、自分の健康を保つべきです。これが人生で一番大切なことです。
健康は貴いものであり、何事にも代えがたいものなのです。
ですから、健康を保つ方法を知らず、欲におぼれて、身を滅ぼし、命を失う事は愚かなことです。
身体と私欲の軽重をよく考え、一日を慎んで、私欲をおそれ、深い淵をのぞき込むように、また薄い氷を踏むように生活することができれば、長生きすることができるでしょう。
人生を楽しく過ごすことはいいことですが、短命であれば、いくら巨万の富を得たとしても意味はありません。宝の山が目の前にあっても意味がありません。そうであるからこそ、人の道に従って生き、健康を保って、長く生きること程、幸せなことはないということです。
だからこそ、書にも「五福」の第一番目に"長生きすること"と記されています。
"長生きすること"こそが、一番の幸せなのです。』
~ 養生訓 (貝原益軒)より ~
上記は、貝原益軒の著書「養生訓」の原文を、私自身の趣味の範囲で訳したものです。
先日、書店に行って、商売柄、健康ジャンルの書棚を眺めていたところ、この「養生訓」が目に留まりました。その本は、貝原益軒の原文を現代語訳で紹介している本でしたが、本のページをめくると、書いてあることが、全て心に響いたというか、その通り・・・と心の中でうなずくものでした。何よりも驚いたのは、このようなことを考え、また実践し、それを人々に伝えるため書として書いている人が江戸時代にいたのだということでした。
内容は科学的であり、医学的であり、それでいて哲学的で人生訓的な内容です。
家に帰るとすぐに、「養生訓」のことをネット調べました。
そして、この本に書いてあることをじっくり学べたい、知りたいと思った次第です。
上記は、「養生訓 巻第一 総論上」の巻頭部分になります。
知識のない私が、感じた通りに訳した内容ですので、もしかすると間違って訳している部分があったりするかもしれませんので、その点はお許し下さい。